ヒートショックによる事故が多発する時期になりました。
毎年11月から4月の寒い時期は、
浴槽内での溺死や溺水による死亡事故が多く発生しています。
中でも、高齢者の事故は他の年齢層より多く、
家及び居住施設の浴槽における死亡者数は不慮の溺死事故の71%を占めており、
入浴習慣の見直しが求められています。
ヒートショックによる事故を防ぐための注意点は以下の通りです。
1.入浴前に脱衣所や浴室を暖める
リビングや脱衣所が18度未満の住宅だと、湯温42度以上を好む傾向があるとか。
寒暖差が大きいと、血圧が急激に変動して危険です。
・脱衣所を暖房器具で暖める
・風呂蓋を開け、浴槽のお湯や蒸気で浴室を暖める
などの方法で、18度以上に暖めておきましょう。
2.湯温は41度以下、湯につかる時間は10分までを目安にする
熱すぎる湯や長時間の入浴は、心臓に負担がかかります。
それが原因で浴槽から出られなくなったり、
ふらついて転倒する恐れがあるので注意しましょう。
3.浴槽にはゆっくり入る・急に立ち上がらない
入浴中は、体に水圧がかかるので血管が圧迫されて血圧が変化します。
ゆっくり入ると、急激な血圧の変化を防げるので心臓への負担を減らせます。
一方、急に立ち上がると、水圧から解放された血管は一気に拡張します。
すると、脳に行く血液が減ります。
そのため、貧血でフラフラしたり、一過性の意識障害を起こす恐れがあります。
浴槽を出る時は、手すりや浴槽のヘリを持ち、
ゆっくりと立ち上がるようにしましょう。
4.食後すぐの入浴や、飲酒後、医薬品服用後の入浴は避ける
食事を消化するため、食後しばらくは血圧が低くなっています。
飲酒によっても一時的に血圧は下がるので、
アルコールが抜けるまでは入浴を避けた方が賢明です。
そのほか、体調が悪い時や服用後の入浴を避けるよう指示された場合なども、
入浴しないようにしましょう。
5.入浴する前に同居者に一声掛ける
入浴中に体調を崩した時、同居者に早期発見してもらうことが大切です。
そのためには、同居者に一声掛けてから入浴し、
・長時間入浴している
・浴室から大きな音がした
・浴室から何の音もしない
・浴室に声をかけても返事がない
などの異常に、早めに気付いてもらうようにしましょう。
6.入浴前と入浴後に水分を補給する
入浴すると汗をかくので、血液がドロドロになって血栓ができやすい状態になります。
それを防ぐため、入浴前と入浴後に水分を補給しましょう。
(お酒は水分ではありません。『風呂上がりの一杯』は酒でなく水がお勧めです)
ヒートショックによる事故は、持病が無い方にも起こります。
年末年始は、お酒を飲む機会が増えます。
若年層でも、飲酒後に入浴すると事故のリスクが高まるので注意しましょう。
では、また。
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