屋根材

岩澤工務店の屋根は、寿命が長く、耐久性の良い素材を厳選しています。
スタイル別に採用する屋根。プロヴァンス風には本物の素焼きの瓦を、シンプルスタイルにはガルバリウム鋼板を、古民家風スタイルには本物の素焼きの平板瓦を採用しています。

陶器瓦【プロヴァンス風:カパラス 古民家風:平板瓦】

愛知県西三河地方で生産されている粘土瓦を三州瓦と呼んでいます。日本を代表する粘土瓦産地であり、粘土瓦生産量の約60%を占めています。寒冷な気候にも耐える耐久性、寸法精度などに優れ、豊富な形状と色のヴァリエーションを揃えています。
全国各地の社寺建築などに採用されている高品質な粘土瓦です。
特許庁による全国的な知名度があり、地域の産業として根付いていることを証明する「地域ブランド」として三州瓦は認定されています。

粘土瓦は耐久性に優れ、他の屋根材が施工後10年~20年程度で補修、塗装などのメンテナンスが必要であることに対し、災害などによる被災や建築物の構造に問題が無い限りメンテナンス不要です。

プロヴァンス風:カパラス

カパラス[パステルクレイ]は、輸入瓦に比べ日本の気候条件に適した耐久性を持ち、南欧のバレル瓦を簡略化した形状は、機能の向上と費用を抑えることを両立しています。

古民家風:平板瓦

平板瓦は、自然素材である粘土と釉薬を高温(1130℃)で焼き締めた、表面がガラス質の被膜で覆われた陶器質の屋根材です。変色や変質を起こしにくく、時間が経過しても美しい外観を保つことができます。セメント系屋根材のように、表面が塗料による着色でないため、塗り替えの必要はありません。本物の陶器瓦は、耐久性、断熱性、遮音性にも優れています。その立体的なフォルムは塗り壁との相性がとても良く、しっかりと焼き上げた陶器瓦は時間の経過と共にその風合いを増して行きます。

性能

耐熱性 この瓦は1100℃の高温で焼き上げます。ですから真夏の炎天下の暑さにも、真冬の氷点下の環境にもビクともしません。
耐圧性 雪などの重さに耐えられる耐圧設計で、JIS規格の約1.5倍の重さにも耐えられます。
耐酸性 大気汚染による酸性雨にも屋根は耐えなければいけません。対薬品テストでも、塩酸溶液、水酸化ナトリウム溶液に屋根材を浸していても、ほとんど変化が見られません。
断熱性 瓦と他の屋根材について熱環境の比較テストを実施したところ、瓦は極めて熱容量が大きいことが判明しました。夏や冬の、激しい室内、室外の温度差をこの熱容量がクッションのように吸収してくれます。

ガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板とは、アルミと亜鉛で鉄を守ることにより生まれた耐久性に優れた鋼板です。鋼板を基材としてアルミニウム、亜鉛、シリコンからなるメッキ層を持つ溶融アルミニウム-亜鉛合金メッキ鋼板を総じてガルバリウム 鋼板といいます。

ガルバリウム鋼板のめっき組成は、アルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%からなり、耐食性、加工性、耐熱性、熱反射性などのアルミニウムの特質と、亜鉛が鉄の溶解を防止する犠牲防食作用と鋼板から錆を守る被膜保護作用で優れた耐久性を発揮します。

日本の屋根材に多く使われているスレート瓦(カラーベスト・コロニアル)のメリットとデメリット

スレートとは本来、天然の石を薄く割って屋根材にすることをいいますが、最近ではほぼ使用することはありません。近年のスレート瓦は、天然のスレートの工業化コピー商品として、アメリカからの技術導入により昭和30年代から住宅用屋根材として普及し始めまたものです。

現在のスレート瓦とは、セメントに繊維を混ぜて固めたコロニアルやカラーベストと呼ばれる人工の屋根材のことを示します。正式には化粧石綿スレートと言い、10年ほど前までの原料には人体に有害とされる石綿(アスベスト)が含まれている場合がほとんどです。

メリット

屋根の形状、勾配などを選ばない施工性の良さと、日本瓦に比べ安い。重ねる面積も多く、隙間が少なく、吹込みや強風時のめくれ、飛散が少ない。

デメリット

スレート瓦(カラーベストやコロニアル)は表面の塗装が劣化する事により雨漏りする事があり、また割れがあった場合、部分的に交換補修する事が困難です(釘打ちのあと重ねていくため)。
また、長所でもある隙間が少ない事により、日本瓦のように呼吸する屋根ではないので雨漏り以外に冬場の結露にも弱く、下地の傷みも早い場合があります(H14年度以前の物はアスベストを含んでいる物がほとんどです)。

屋根材の性能比較表

三州瓦 スレート瓦 セメント瓦
耐久性(退色性) × ×
強度
耐熱性
吸水性
対薬品性(対酸性雨) × ×

日本国内では、スレート瓦は安価で、デザインや色も豊富で、作業がし易いため、多くのハウスメーカーや工務店で好まれて使用されています。

なぜ当社が一般的に流通しているスレート瓦(カラーベスト・コロニアル)を使用しないかというと、塗装が傷むと本体部分が急速に傷むので、定期的なメンテナンスが頻繁に必要となるからです。当社は50年以上に渡り、住宅のメンテナンスを通じて様々な角度から家の寿命を短くする劣化現象を見てきました。建築当初は綺麗でも10年以内に劣化し、雨漏りなどの原因となる建材は使用しません。

スレート瓦(カラーベスト・コロニアル)のコケ

水切れが悪くまた表面がざらざらしている為、コケが生えた状態のままにしておくと美観も良くありませんし、何より、水を吸いやすくなり、劣化を促進させてしまいます。

スレート瓦(カラーベスト・コロニアル)のひび割れ

塗膜が劣化したり、ひびが入ったりするとセメントが水分を吸い込み劣化が加速します。割れても目立ちにくい場合もあり、工事中に割れてそのままとなることもあります。

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