タイベックシルバーとは?タイベックとの違いと賢い選び方
外壁の下地材として、建物の耐久性や快適性に大きく影響する透湿防水シート。
その中でも、近年注目を集めているのが「タイベックシルバー」です。
タイベックシルバーは、優れた機能を持つ一方で、価格も高いため、本当に必要なのか、他の製品と比べてどうなのか、疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、タイベックシルバーと従来のタイベック、そして他社製品の違いを比較検討し、費用対効果の観点から最適な選択を支援します。
新築やリフォームを検討する際に、ぜひ参考にしてください。
タイベックシルバーの特徴
優れた遮熱効果
タイベックシルバーは、アルミ蒸着層を持つことで、太陽からの輻射熱を効果的に反射します。
夏は室温上昇を抑え、冬は室温低下を防ぐ効果が期待できます。
その遮熱効果は、従来のタイベックと比較して、夏季で27%、冬季で21%の熱移動抑制効果があるとされています。
この効果は、特に断熱材が薄い建物や、日射が直接当たる南面に効果を発揮します。
耐久性と耐候性
タイベックシルバーは、従来のタイベックよりも優れた耐久性と耐候性を誇ります。
高密度ポリエチレン不織布にアルミ蒸着と抗酸化樹脂コーティングを施すことで、紫外線や風雨による劣化を抑制。
従来のタイベックが20年保証であるのに対し、タイベックシルバーは50年相当の耐久性を持つとされています。
これは、長期間にわたる建物の維持管理コスト削減にもつながります。
ただし、外壁材を施工するまでの屋外暴露期間が長すぎると、保証対象外となる場合があるので注意が必要です。
施工の容易さ
タイベックシルバーは、従来のタイベックと同様、扱いやすい素材です。
ただし、アルミ蒸着層があるため、施工時の取り扱いには注意が必要です。
傷がつきやすいので、鋭利な物との接触を避け、丁寧な施工を心がけることが重要です。
また、専用の防水テープを使用することで、より効果的な施工と防水性を確保できます。
タイベックシルバーとタイベックの違い
価格の違い
タイベックシルバーは、従来のタイベックよりも高価です。
その価格差は、アルミ蒸着による高機能化によるもので、約2~3倍程度とされています。
しかし、長期的な耐久性や遮熱効果によるランニングコスト削減効果を考慮すると、必ずしも高価な選択とは言えない可能性があります。
性能の違い
タイベックシルバーは、従来のタイベックに比べて、遮熱効果と耐久性が向上しています。
従来のタイベックは優れた透湿防水性能を持つ一方で、紫外線による劣化が懸念されます。
タイベックシルバーは、アルミ蒸着層による遮熱効果に加え、劣化しにくい素材を使用することで、より長期にわたる性能維持を実現しています。
透湿性能については、両製品ともほぼ同等です。
用途の違い
基本的には、タイベックとタイベックシルバーは同じ用途で使用できます。
ただし、遮熱効果を重視する場合は、タイベックシルバーがより適しています。
特に、日射が強く当たる南面の外壁や、断熱性能が低い建物では、タイベックシルバーの採用が効果的です。
また、防腐防蟻剤で濡れた通気胴縁を使用する場合も、界面活性剤の影響を受けにくいタイベックシルバーが推奨されます。
水平面への施工には、より厚手のタイベックフラッシングシートの使用が推奨されます。
費用対効果と最適な選択
初期費用とランニングコスト
タイベックシルバーは初期費用が高いですが、長寿命でランニングコストを削減できます。
従来のタイベックは、紫外線による劣化が早いため、定期的なメンテナンスや交換が必要となる可能性があります。
タイベックシルバーは、耐久性が高いため、そのようなメンテナンスコストを抑制できます。
よって、長期的な視点で見れば、必ずしも初期費用が高い方がコスト高とは限らないのです。
長期的なコストパフォーマンス
タイベックシルバーの長期的なコストパフォーマンスは、建物の用途や地域、気候条件によって異なります。
断熱性能の高い建物や、日射量の少ない地域では、従来のタイベックでも十分な効果が期待できます。
しかし、断熱性能が低い建物や、日射量の多い地域では、タイベックシルバーの遮熱効果によるランニングコスト削減効果が大きくなります。
建物の寿命全体で比較検討することが重要です。
建物の用途と素材の選択
建物の用途によって、最適な透湿防水シートは異なります。
例えば、高気密高断熱住宅では、従来のタイベックでも十分な効果が期待できます。
一方、断熱性能が低い建物や、夏場の暑さが厳しい地域では、タイベックシルバーの採用が有効です。
また、長期的なメンテナンスコストを削減したい場合にも、タイベックシルバーがおすすめです。
さらに、水平面への施工は、タイベックフラッシングシートが推奨されます。
それぞれの建物の特性を考慮した上で、最適な素材を選択することが重要です。
まとめ
タイベックシルバーは、従来のタイベックに比べて初期費用は高いものの、優れた遮熱効果と耐久性により、長期的なコストパフォーマンスに優れています。
特に、断熱性能が低い建物や、日射量の多い地域、長期間のメンテナンスコスト削減を重視する場合は、タイベックシルバーの採用が有効です。
しかし、高気密高断熱住宅など、すでに高い断熱性能を有する建物では、従来のタイベックでも十分な効果が期待できます。
建物の用途や条件、予算などを総合的に判断し、最適な透湿防水シートを選択することが重要です。
それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、費用対効果を考慮した賢い選択をしてください。
当社は、一軒一軒お客様の理想を最大限に実現する、自然素材の健康な家づくりを行っています。
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